ヒューマンドラマ映画

顔のないヒトラーたち 事実をもとに作られた人間ドラマ [U-NEXTで観れる!]

ヒューマンドラマ

2014年作られたドイツ映画でナチスドイツによるホロコーストに関わった事実に基づいて描いた人間ドラマです。

 

ナチスドイツというと思い描くのは、独裁者で名が知れるヒトラーです。

 

この記事を読み終えると独裁者ヒトラーがどのような残虐ぶりをしてどのような人物だったのかホロコーストに関わった収容所幹部の戦後1963年に開かれたアウシュビッツ裁判開廷までの道のりを知ることができます。

 

顔のないヒトラーたち ヒトラーの人間像

独裁者で知られるヒトラーは、軍の細かい指揮から、政治も細かく自分の意のままにやろうと気に入らないものがいると更迭していました。

自分でいくつもの役職を兼任していた

ヒトラーは最高の地位を維持するため自分でいくつもの役職を兼任していました。

そのため指示を仰がないと何も決まらないということから、ヒトラーが寝ている間に敵が攻撃してきたら、起きるまで待っていたので被害が広がったという逸話もあります。

 

ヒトラーは薬物中毒

ヒトラーは薬物中毒で精神ボロボロおかしくなっている様子は、ベルリン陥落の前に少年兵を激励する映像に映っています。

宣伝の公式映像ですから都合の悪いところは撮らないようにしていて手が震え、顔が病人面をしていたそう。

クーデターを起こそうとした軍人や政治家は捕らえて、針金で首をくくられて、悶絶しながら殺されていく様子を撮影。

それを上映してヒトラーと幕僚が見たというような話もあります。

ヒトラーの人間像がナチス全体のイメージでもあるんですよ。
真面目で冷酷(褒め言葉です)でストイックな仕事人間。

で、愛妻者で子煩悩で素朴/質素であるのも、ゲルマンの美徳としました。
一方、”人間的”ってのは劣等者の資質とさえ見做していました。
(冷たい目をした金髪の白人が支配者で、人間的に感情を表に出し、欲に素直なのが劣等民族ってことです)

ところが、裏ではナチスの高官は愛人を囲い、放蕩し、芸術品を略奪して自宅に飾るか高値で売り払って私腹を肥やしていたって面もあります。

むろん国民には見せませんが。

なにしろ、ヒトラーの略奪アートコレクションに対抗して、俺もと競って絵画をあつめていたなんて話もありますからね。

 

「異常者で冷酷非道」ってイメージは、ステレオタイプで、かつ悪意のある宣伝の要素ってのが大きいですから注意が必要ですが、ヒトラーの場合は、20世紀の文明国の指導者としては、まさにマンガの「悪の首領」ような様相もいろいろ伝わってます

ヒトラーもナチスも研究が進み、時代も経ったので一方的に悪でもないっていうことも判ってきているのですが、それでもナチスって知れば知るほど、カルト的におかしな集団で、また残虐さや異様性は際立ってきます。

ふつう歴史や社会を勉強すると、知識が増えて多面的に見られるようになります。
そうなると相対化していき、単純に良いとか悪いといえないって判ってくるものなのですが、ナチスドイツに関しては知れば知るほど、ろくでもないことがわかってくるという、不思議な存在なんですよ

(なお、ネットや安物のムックあたりで撒かれている「ナチス、ヒトラーは良いこともした」の類は、ほとんどがウソか偏っていますよ)

顔のないヒトラーたち あらすじ

第二次世界対戦中ナチスドイツがおこなったユダヤ人の大量虐殺など凄まじい悲劇が繰り広げられた時代から約20年ほどが経過した自国ドイツが舞台の映画です。

 

第二次世界対戦中、ナチス親衛隊員は上司から命令ではなく自分勝手に殺したい時に殺したり女性子供御構い無しに気分で殺していました。

 

そんな、殺人鬼だった元ナチス親衛隊員も戦争が終わり20年もたてばそれぞれ教師になっていたり、パン屋さんをしていたり何食わぬ顔をして働いていました。

 

そんな、犯罪者をドイツは今まで見て見ぬふり、それを知った主人公の検事であるヨハンは、

戦後忘れつつあるこの悲劇を制裁していくというヒューマンドラマ。

 

ドイツが自国を裁いた「アウシュヴィッツ裁判」が行われるまでの苦難を描いた歴史的作品です。

 

この作品を見るとタイトルの「顔のないヒトラーたち」がスッと腑に落ちます。

顔のないヒトラーたち キャスト

出演

(ヨハン・ラドマン) アレクサンダー・フェーリング
(トーマス・グニルカ) アンドレ・シマンスキ
(マレーネ) フリーデリーケ・ベヒト
(シモン・キルシュ) ヨハネス・クリシュ
(エリカ・シュミット) ハンジ・ヨフマン
(オット・ハラー) ヨハン・フォン・ビューロー
(ウォルター・フリードベルク) ロベルト・フンガー=ビューラー
(ヘルマン・ラングバイン) ルーカス・ミコ
(フリッツ・バウアー) ゲアト・フォス

監督 ジュリオ・リッチャレッリ
音楽 ニキ・ライザー
ゼバスティアン・ピル
脚本 ジュリオ・リッチャレッリ
エリザベト・バルテル
製作 ウリ・プッツ
ザビーネ・ランビ
ヤーコプ・クラウゼン

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